和ろうそくについて

 和ろうそくの原料は植物のハゼの実の油から抽出した木蝋(もくろう)や米糠から抽出した糠蝋を使います。和ろうそくの芯は、和紙の上にい草の灯芯を巻いたものや和紙だけを巻いた紙芯を使用しています。
 一方の洋ろうそく(西洋ローソク)は原油から石油を絞った後の精製した物、パラフィンを使用し芯は木綿糸を中心とした糸芯を使用します。
 和ろうそくは、室町時代に中国から渡来し、江戸時代に最盛期を迎えましたが、 明治以降は、西洋ろうそくの普及により減少の一途をたどっていました。
 しかし、近年では、インテリアとしての『和の灯り』として確実に見直されています。
 和ろうそくの製造方法は、一本一本を手で作る 『清浄生掛け(しょうじょうきがけ)』と、型に流して作る『型流し』があります。
和ろうそくのもつ神秘性、姿の良さ、火持ちの良さ等々・・・。この法灯揺らぐ様は、荘厳で心安らぐ灯と言えるでしょう。何卒、末永くご愛用下さいますようお願い申し上げます。


和ろうそくの特徴

・油煙が少ないので、お仏壇やお部屋を汚しにくい。
・風がなくても、炎が色々な表情を見せてくれる。[優しさ・力強さ・よろこび等々]
・風に強い・・・。多少の風でも消えることはありませんので、屋外の使用にも適しています。

赤いろうそくのはなし

赤いろうそくとは、どのようなときに使用すれば良いか?
赤いろうそくとは、仏壇で使用される場合、『仏様のおめでたいとき』と考えて頂ければ 間違いないでしょう。例えば、お彼岸・月命日・仏壇開き等です。 また、何か嬉しいことやおめでたいことをご先祖様 にご報告する場合や、何かお願い事をするとき(家内安全・身体健全・交通安全・・・)等です。  そして、七回忌からは、赤いろうそくを使用しても良いと言われています。

木蝋(もくろう)について

和ろうそくの原料は、植物のハゼの木の実の油(木ろう)を使用しております。  この木ろうは、パラフィンワックスや他のワックスにない独特の粘りを持ち、 食品衛生法に適した安全性をもっており、我々の生活の中に数多く使用されています。  例えば、化粧品の口紅、ハンドクリーム、軟膏、座薬、クレヨン、色鉛筆、お相撲さん のビン付け油等です。そして最近では、ワープロのリボン等にも用いられます。
ところが、この貴重で利用価値の高い木ろうが、近年絶滅の危機にあります。
 絶滅の危機に瀕したハゼの木
(1)数年前に九州地区を襲った大型台風の被害で、産地のハゼの木が根こそぎ倒された。
(2)一大産地である長崎県千本木地区を襲った大火砕流。
(3)ハゼの実を採取してくれる『ちぎり子さん』の減少等です。
和ろうそくを通じ、木ろうの素晴らしさをご理解頂ければ幸いと存じます。


Traditional Japanese Candle

 The light is larger than that from other kind of candle. T he ght is so artistic. There are three kind of candles made with oil from mineral, animal and vegetable sources. Traditional Japanese candle is made of wax from trees. In the 7 th century, candles were brought to Japan with Buddhism and used at religious ceremonies by monks and other noble people. The wick of the Japanese candle is also vegetable based compared with the western candles wick which is made of chemical fibers. Most wicks are made of rush, which is the material of the “tatami mat”

和蝋燭

その炎は、他の蝋燭よりも大きく大変趣きのある灯りである。
蝋燭の蝋分には鉱物、動物、植物の3タイプからなる。伝統の和蝋燭はハゼの実が主な
原料(一般的な蝋燭はパラフィン)として使われている。7世紀に蝋燭は仏教とともに日本にやってきた。その頃の蝋燭は仏事や、高貴な人が使っていた。
 和蝋燭は芯もまた西洋ロウソク(一般的なキャンドルは糸芯)とは違い和紙の上にい草の髄を巻いた植物性のものを使用している。